透析看護認定看護師とは
高齢者人口の増加に伴い、透析導入患者も比例して年々増加傾向にあり、現在国内で約30万人いるといわれています。延命治療の手段としての透析療法は、患者や家族に精神的・物理的に大きな負担をかけます。 透析看護認定看護師は、患者の生活の質を改善するため、フィジカルアセスメントをはじめ、状況判断や対処能力、コーディネートに必要な調整能力など、ジェネラリストとしての視点と高い臨床判断能力を持って支援します。
透析看護認定看護師に求められる能力
透析器械・器具・装置はもとより、使用される透析液や薬剤などと透析治療に伴って変化する身体と侵襲についての確かな知識をもとに、器械などに依拠しなければ生きられないという矛盾を抱えた人への看護を実践する能力が求められます。
また近年では、透析室のみが腎不全看護の場ではなくなっているため、ジェネラリストの視点と透析看護の視点を融合し、発展させていくことが求められます。
さらに専門職として、患者をどのようにとらえたのかを、他の協力者が理解できるように思考過程を言語化し情報を共有することや、コーディネートしたことや積み上げた日々の実践を研究へとつなげ、看護の根拠を示していくこと。
目に見える形として評価されにくい合併症の予防や、自己実現を目指す生活への援助など、患者に応じて使い分けをしている技術などを意味あるものとしていくことが課題となります。
透析看護認定看護師になるには
透析看護認定看護師の実務研修における看護実績と教育課程入学時の勤務条件は以下の通りです。
1 | 通算3年以上、透析看護分野での看護実績を有すること。 |
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2 | 透析導入期・維持期の患者の看護(体外循環中の看護の実績があることを必須とする)を5例以上担当した実績を有すること。 |
3 | 現在、透析看護に携わっていることが望ましい。 |