がん性疼痛看護認定看護師とは
がん性疼痛の全人的ペインアセスメントと症状マネジメント、薬物療法の適切な使用と管理およびその効果の評価があげられる、といった知識と技術をもつ認定看護師です。 「がん性疼痛看護」は「がん化学療法看護」「緩和ケア」と同時期の1998年に認定看護師分野に特定されました。 「がん性疼痛」はがん患者におこる、とてもつらい症状の一つです。 患者の30%は診断時にすでに痛みを経験しており、進行がんでは60~70%、末期がんにおいては75%と言われています。 WHO方式がん疼痛治療法では80~90%の患者の除痛がはかれたという報告がありますが、日本の除痛率はがん専門病院でもそこまでは至っておらず、疼痛に対して専門的な知識・技術をもつ看護師の役割はとても大きいものと言えます。
がん性疼痛看護認定看護師に求められる能力
がん性疼痛看護認定看護師は、診断・治療時期から終末期まで、がん性疼痛を有する患者に対して全人的な視点でアセスメントを行い、苦痛を取り除くことでQOLを高められるよう援助を行なっていきます。
マネジメントする上で、薬物療法に使用する薬剤の薬理作用を理解し、適切に使用できるようにして効果を評価していくことも重要な能力となっています。
また、認定看護師自らが実践モデルとなり、疼痛緩和に必要なケアの提供を行い、患者や家族に対して効果的な疼痛緩和が行えるよう指導します。
さらには、他の看護職に対しても情報提供を行い、勉強会等を通して知識・技術の向上を目指します。その中でがん性疼痛緩和についての相談を受け、相談者である看護職と共に考え、問題解決をしていくという役割も担っています。
がん性疼痛看護認定看護師になるには
がん性疼痛看護認定看護師の実務研修における看護実績と教育課程入学時の勤務条件は以下の通りです。
1 | 通算3年以上、がん患者の看護実績を有すること。病棟での看護実績を有することが望ましい。 |
---|---|
2 | 病状の進行等に伴って生じる持続的な痛みを有するがん患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。 |
3 | 現在、がん患者の多い病棟、外来、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。 |