特定看護師について

特定看護師とは、保健師助産師看護師法において今までは「診療の補助」に含まれないものと理解されてきた特定の医行為を、医師の指示を受けて「診療の補助」として実施する、今までにない新しい看護師像であり、資格化が現在検討されています。

特定看護師は今まさに検討段階であるために、実際のところどこまでの事ができるのかは現職の看護師でさえイメージしにくいのが現状ですが、あえて説明するとすれば近年増加を見せている認定看護師を例にあげることができます。

認定看護師とは日本看護協会という職能団体の認定ですが、特定看護師は認定看護師が現在実践していることにプラスアルファとして、主治医による包括的指示の範囲内で自分の判断により実践できることが加わり、さらにその医療チームの中でチームをまとめ上げコーディネートする役割と責任を今以上に引き受けていくといったイメージです。

なぜ特定看護師が必要になったのか

在院期間の短縮化を進めましょうという国の方針により、特に急性期の病院において医師の仕事量が莫大なものになってしまい、それが問題になってしまいました。
そこで、患者さんに今まで以上に安心で安全な医療を提供するために、看護師をはじめとする医療スタッフがそれぞれの専門性を考慮した上で、できる仕事は分担してもらっていけばいいのではないか、という意見がきっかけでした。
その後も「患者さんのためにどうするのが一番よいか」という前提を踏まえた上で、チーム医療におけるそれぞれの役割分担について、様々な場で話し合われた中で、看護師をはじめ薬剤師、理学療法士、臨床検査技師などコメディカルスタッフの職能拡大、つまり「できる事を増やしましょう」という話になりました。
その中の目玉として、今回の「特定看護師」の創設が提案されたのです。
詳しい経緯については下記の「時系列で見る特定看護師」をご参照ください。

時系列で見る特定看護師

ナースプラクティショナーとの違い

現在ナースプラクティショナー(以下NPと呼びます)を国内でも創設しようと日本NP協議会を中心に話が進んでおり、すでに5つの大学院修士課程で、その養成コースが動き始めています。
特定看護師と混同しがちですが、日本における特定看護師と欧米各国で活躍しているNPは異なる性質のものです。
大きな違いとして、NPは医師の指示を受けずに医行為を行いますが、特定看護師は医師の包括的指示の下で、あらかじめ定められた特定の医行為を行うものです。
看護師は病態学を学んでいますので、フィジカルアセスメントにより病態を把握するという診断プロセスの第一段階のことはできても、診断学は学習していないため病気を診断することはできません。
仮にその診断学を学んだとしても、この国の現行の法体系の中で看護師は、医師の指示なく処方などの医行為を行う事を禁止されています。
ですから現行法の枠内ではNPを養成しても、いますぐにというのは難しいという声があります。

法律で見る特定看護師

抱きがちな誤解

現職の看護師が抱きがちな誤解として「特定看護師が創設されたら、今までやってきたことができなくなって、業務範囲が狭められてしまうのではないか」というものがありますが、前述のように特定看護師は「看護師の役割を拡大しよう」という話から派生したものなので、一般の看護師の業務範囲が広がることがあっても狭まるということはないでしょう。

特定看護師の支援制度がある病院はコチラから検索

各病院の看護師求人情報に資格支援制度の記載があります。 既存の職員でどれぐらい特定看護師が在籍しているかを確認することで、どれだけ積極的に資格取得支援をしているか判断ができます。

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