専門看護師分野について
専門看護分野とは、変化する看護ニーズに対して、独立した専門分野として知識及び技術に広がりと深さがあると制度委員会が認めたものをいいます。
専門看護 分野の特定の方法は、専門看護師制度委員会が、同委員会に申請された分野について逐次審議し、理事会の議決を経て行うものとします。
下記は専門看護分野の特定条件です。
1 | 既に看護専門分野の教育課程が現存し大学院等で実施されているもの。なお、教育課程については日本看護系大学協議会またはそれと同等以上の組織が提言しているもの。 |
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2 | 専門看護分野の教育を修了し、専門看護師の受験資格を満たしている者が現時点で3名以上、臨床専門分野(地域を含む)で実践していること。 |
下記は平成22年2月時点で特定されている分野一覧です。
認定看護分野 | 英語表記 |
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がん看護 | Cancer Nursing |
精神看護 | Psychiatric Mental Health Nursing |
地域看護 | Community Health Nursing |
老人看護 | Gerontological Nursing |
小児看護 | Child Health Nursing |
母性看護 | Women's Health Nursing |
慢性疾患看護 | Chronic Care Nursing |
急性・重症患者看護 | Critical Care Nursing |
感染症看護 | Infection Control Nursing |
家族支援 | Family Health Nursing |
専門看護師とは
専門看護師(Certified Nurse Specialist)とは、日本看護協会の専門看護師認定審査に合格し、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して、水準の高い看護ケアを効率よく提供する為の特定の専門看護分野の知識及び技術を深めた看護師の事です。
専門看護師は以下の6つの役割を果たすことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかります。
実践 | 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。 |
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相談 | 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。 |
調整 | 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々のコーディネーションを行う。 |
倫理調整 | 個人、家族及び集団の権利を守る為に、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。 |
教育 | 看護者に対しケアを向上させるため教育的機能を果たす。 |
研究 | 専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。 |
また、専門看護師はレベル保持のため、認定後5年ごとに更新審査が義務付けられています。(看護実践の実績、研修実績、研究実績等)
近年では看護大学が増え、同時に看護大学院も増加傾向にあります。
看護師も他業界同様に高学歴化が進んでおり、大学院への進学率は高まっています。
理由として、高度化する医療に対応できる知識・技術を身に付けた看護師が求められている点が挙げられます。
これまでは大学院修了後は大学に残ってそのまま研究者になるか、看護師の教育者になるかのどちからしか主なキャリアアップ方法はありませんでしたが、日本看護協会が大学院の特定の専攻科を専門看護分野として認定し、専門看護師制度を創設した事により、高度な専門性を持つ専門看護師が働きやすい職場環境が整いはじめました。
ただ、修士課程の修了とハードルの高い書類審査があることから、平成22年2月現在、国内で登録されている専門看護師の数は451人となっています。
年(西暦) | 専門看護師数 |
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1996 | 6人 |
1997 | 11人 |
1998 | 14人 |
1999 | 15人 |
2000 | 19人 |
2001 | 26人 |
2002 | 40人 |
2003 | 71人 |
2004 | 99人 |
2005 | 140人 |
2006 | 186人 |
2007 | 240人 |
2008 | 304人 |
2009 | 452人 |
2010 | 451人 |
専門看護師になるには
(1)日本国の保健師、助産師及び看護師のいずれかの免許を有すること
(2)看護系大学修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位)を取得していること
(3)実務研修が通算5年以上(そのうち3年間以上は専門看護分野の実務研修、このうちの6か月は修士課程修了後の実務研修であること)
(4)認定審査(書類審査・筆記試験)
(5)専門看護師認定証 交付・登録
なお、下記は専門看護師教育課程のある大学院の一覧です。
都道府県 | 教育課程のある大学院 | 専門看護分野 |
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北海道 | 札幌医科大学大学院 | 急性・重症患者看護 |
北海道医療大学大学院 | がん看護 精神看護 老人看護 母性看護 慢性疾患看護 |
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旭川医科大学大学院 | がん看護 |
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天使大学大学院 | がん看護 | |
青森県 | 青森県立保健大学大学院 | 小児看護 母性看護 急性・重症患者看護 |
岩手県 | 岩手県立大学大学院 | がん看護 小児看護 慢性疾患看護 |
宮城県 | 宮城大学大学院 | 感染症看護 |
山形県 | 山形大学大学院 | 老人看護 小児看護 |
福島県 | 福島県立医科大学大学院 | がん看護 精神看護 小児看護 |
茨城県 | 茨城県立医科大学大学院 | 老人看護 小児看護 |
栃木県 | 自治医科大学大学院 | がん看護 精神看護 小児看護 母性看護 急性・重症患者看護 |
群馬県 | 群馬大学大学院 | がん看護 老人看護 |
千葉県 | 千葉大学大学院 | がん看護 精神看護 老人看護 小児看護 母性看護 |
東京都 | 慶應義塾大学大学院 | がん看護 精神看護 老人看護 |
首都大学東京大学院 | 老人看護 小児看護 |
|
聖路加看護大学大学院 | がん看護 精神看護 地域看護 老人看護 小児看護 |
|
東京医科歯科大学大学院 | がん看護 精神看護 老人看護 小児看護 母性看護 急性・重症患者看護 |
|
東京女子医科大学大学院 | がん看護 精神看護 地域看護 老人看護 小児看護 急性・重症患者看護 |
|
日本赤十字看護大学大学院 | がん看護 精神看護 小児看護 慢性疾患看護 急性・重症患者看護 |
|
杏林大学大学院 | がん看護 | |
順天堂大学大学院 | がん看護 慢性疾患看護 |
|
東京大学大学院 | がん看護 | |
東邦大学大学院 | 感染症看護 | |
神奈川県 | 北里大学大学院 | がん看護 精神看護 地域看護 母性看護 急性・重症患者看護 |
東海大学大学院 | 老人看護 急性・重症患者看護 家族支援 |
|
山梨県 | 山梨県立大学大学院 | 慢性疾患看護 急性・重症患者看護 感染症看護 |
山梨大学大学院 | 老人看護 | |
長野県 | 長野県看護大学大学院 | 老人看護 小児看護 |
新潟県 | 新潟大学大学院 | 慢性疾患看護 |
新潟県立看護大学大学院 | がん看護 地域看護 |
|
新潟医療福祉大学大学院 | がん看護 | |
石川県 | 石川県立看護大学大学院 | がん看護 地域看護 老人看護 小児看護 |
福井県 | 福井県立大学大学院 | 慢性疾患看護 |
静岡県 | 浜松医科大学大学院 | 急性・重症患者看護 |
岐阜県 | 岐阜県立看護大学大学院 | がん看護 小児看護 慢性疾患看護 |
愛知県 | 愛知医科大学大学院 | 急性・重症患者看護 感染症看護 |
愛知県立大学大学院 | がん看護 精神看護 老人看護 家族支援 |
|
聖隷クリストファー大学大学院 | がん看護 | |
藤田保健衛生大学大学院 | 小児看護 | |
名古屋大学大学院 | がん看護 | |
名古屋市立大学大学院 | 急性・重症患者看護 精神看護 |
|
三重県 | 三重県立看護大学大学院 | 精神看護 |
三重大学大学院 | がん看護 | |
京都府 | 京都橘大学大学院 | 老人看護 母性看護 |
大阪府 | 大阪府立大学大学院 | がん看護 精神看護 地域看護 老人看護 小児看護 母性看護 慢性疾患看護 急性・重症患者看護 感染症看護 |
大阪大学大学院 | がん看護 | |
大阪市立大学大学院 | 老人看護 | |
兵庫県 | 神戸市立看護大学大学院 | がん看護 老人看護 小児看護 慢性疾患看護 急性・重症患者看護 |
兵庫県立大学大学院 | がん看護 精神看護 地域看護 老人看護 小児看護 母性看護 慢性疾患看護 |
|
神戸大学大学院 | 家族支援 | |
岡山県 | 岡山大学大学院 | がん看護 |
広島県 | 広島大学大学院 | がん看護 母性看護 慢性疾患看護 |
山口県 | 山口大学大学院 | 急性・重症患者看護 |
徳島県 | 徳島大学大学院 | がん看護 |
高知県 | 高知女子大学大学院 | がん看護 精神看護 地域看護 老人看護 小児看護 慢性疾患看護 |
福岡県 | 久留米大学大学院 | がん看護 |
福岡県立大学大学院 | がん看護 | |
熊本県 | 九州看護福祉大学大学院 | がん看護 |
熊本大学大学院 | 精神看護 | |
沖縄県 | 琉球大学大学院 | がん看護 |