病院

看護師の就業先で一番多いのが病院です。診療科にもよりますが人の生命に直接かかわる仕事ですので、非常にやりがいのある反面、緊張感の高い仕事です。国や都道府県が開設している公的医療機関や社会保険関係団体、医療法人、個人などがあり、規模も様々です。部署も多種多様であり、主として看護師さんは以下のような仕事にあたります。

◆外来

外来は患者さんが病院を訪れたときに一番最初に診療を受ける場所になります。病院の外来は3時間待ちの3分診療と称される程時間に追われる環境であり、限られた時間の中で正確に処理する能力が求められます。外来看護師は午前中に仕事のピークがおとずれます。検査は食事抜きの血液検査などが多いため、一部の診療科を除いては午後の診療にはあまり患者さんは訪れません。看護部門の中で一番忙しいと言われており、体力・精神力共に鍛えられます。

◆病棟

一般人がナースと聞いて最初に連想する仕事、それが病棟看護師です。病棟看護師は1日の仕事のスケジュールが大まかに決まっています。朝の検温や血圧測定に始まり、点滴、処置、検査、手術患者さんの送り出し、午前の記録、患者さんの昼食、午後のカンファレンス、午後の点滴、午後の処置、午後の記録、夜勤看護師への申し送りといったスケジュールです。病院の入院診療は、医療機関としての病院機能が最大限に発揮される重要な部門です。重篤な患者さんも多く、手術や投薬、大がかりな検査などを日常行っています。その為、患者さんの病状の変化だけではなく、精神的な変化にも気を配る必要があります。病棟でのお仕事はコミュニケーションがとにかく大事だといえます。

◆手術室

入院や外来と並ぶ重要な部門として手術室があります。「外科を持つ病院の収入は手術件数で決まる」と称される程、病院経営の根幹となる部門です。手術室看護師の仕事は、手術の準備や医師のサポートをこなし、機器や道具を扱える正確さや、緊急事態になった時に的確な判断ができる冷静さが求められます。手術前の患者さんには不安を解消してあげられるようなトークも必要です。

◆ICU

ICUでは救急で運ばれてきて救急処置をした後の重症患者さんや、まだ危険な状態の方を24時間体制で見守るのが看護師さんの仕事となります。状態の変化を見抜く洞察力や集中力が必要となります。

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クリニック

診療科によるところもありますが、風邪などの体調不良に対する診察や、予防接種などを積極的に行い、地域住民の健康を守ってくれる医療機関です。予約診療でない場合は、毎日予告なく患者さんがやってきますので、限られた人員の中で初診患者へのヒアリングや、迅速な処置を要することもあり、様々な場面で個人の知識や経験を生かす事ができます。大勢の患者さんを見る必要がある病院とは違い、一人一人をみることができるので、地域住民と身近にコミュニケーションを取ることが多いでしょう。

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訪問看護ステーション

在宅医療の進展によって、訪問看護の重要性は年々高まっています。訪問看護師の仕事は訪問先で利用者さんの体温や血圧を測る、リハビリ、入浴、かかりつけ医との連携、医療器具のチェックなど幅広い仕事があります。1人で利用者さんの家に行き、その場では1人で全ての事に対応しなければならないので、病院や診療所などで様々な経験を積み、知識や技術を身につけたバイタリティのある人が求められています。基本対人ですので精神的な厳しさを感じる仕事でもありますが、その分やりがいを感じる事ができるでしょう。

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介護施設

老人福祉施設や介護保健施設などで、利用者さんの看護・介護を行う仕事です。高齢化に伴って事業所が増えてきたので、看護師の就業率も伸びてきているそうです。介護施設には医師がほとんど従事していない為、利用者さんの健康管理や責任を負うのは看護師です。基本的な業務内容としては、利用者さんの健康をチェックして生活の変化を把握し、相談にのったりアドバイスをしたりと、快適に日常生活を送れるようなケアをしていきます。ただ、以前と比べて介護施設は利用者の重症化が進んでおり、寝たきりの方も多くなってきている為、医療的な処置が必要になる事もあります。職場には看護師だけではなくケアマネージャーやホームヘルパーなど様々な専門スタッフがいますので、介護員と連携して効果的で安全な看護・介護を行う能力が求められます。

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企業

企業では安全衛生管理が義務付けられていますので、健康管理室や医務室が存在します。会社の中での仕事ですので、その会社の社員として入社する場合も珍しくありません。仕事内容としては、ドクターの介助、スケジュール管理、健康相談、PC操作などです。

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学校

保健室の先生のことを養護教諭といいます。学生だった頃の事を思い出してみると、虫歯検査や予防接種、保健室でケガの治療とかをしてもらいましたよね?現代の学校では身体的なケアだけではなく、精神的なケアも必要になってきていますので、子供たちの相談にのってあげることも重要な仕事の一つらしいです。

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その他

◆医療コーディネーター

医療コーディネーターとは、患者や相談者の立場から医師や治療についてどうあるべきかを考え、必要な時にサポートする職業です。健康相談、治療相談をはじめとして、診療に同行したりもします。看護師経験者が個人で開業している事が多く、ボランティアで活動している人もいます。現在では日本医療コーディネーター協会という組織があり、医療コーディネーターの認定を行っています。

◆治験コーディネーター

治験コーディネーターとはCRCとも呼ばれ、医薬品の開発に重要な役割を果たす臨床試験を円滑に進めるようにする人材です。医薬品の臨床試験が増えている近年では、治験コーディネーターは超売り手市場の職種で注目されています。具体的な業務として、臨床試験の事務作業、スケジュール管理、関係者間の調整などがあります。博学の医師達との打ち合わせの機会がある為一筋縄ではいきませんので、知識や経験が豊富にある医療機関の経験者が転身する事が多いみたいです。

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