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がん化学療法看護認定看護師とは

がん化学療法看護

がん化学療法では、1990年代に多くの新しい抗がん剤が登場して、がんの治癒率やがん患者の生存期間の延長が得られるようになってきました。 さらには2000年以降、がん細胞の特性を利用した分子標的療法薬が臨床導入されるようになり、今まで以上に治癒成績の向上が期待されています。 その一方、がん化学療法においては薬剤の取り扱いや副作用管理は非常に複雑であるため、臨床の現場では混乱やミスなども少なくありません。 それだけではなく、診療報酬制度の改訂により治療の場が病棟から外来へと移行しつつある現状もあり、医療者が患者と接する時間が短縮されてしまっているため、自宅で患者自身が状況判断をしなければならず、今まで以上にセルフケアに向けての看護介入が必要とされています。 こういった背景があり、患者が求める治療を安全かつ効果的に行うためには、がん化学療法看護の専門的知識をもつ認定看護師の存在は不可欠であるとされています。 1998年に認定看護師分野として特定された「がん化学療法看護」ですが、特定から10年以上が経過して現在では400名を超えるがん化学療法看護認定看護師が誕生しています。 なお、同時期に「がん性疼痛看護」「緩和ケア」も認定看護師分野として特定されています。

がん化学療法看護認定看護師に求められる能力

がん化学療法看護認定看護師は、がん化学療法が治療の選択肢となる治療期の患者・家族を対象に治療の決定から化学療法薬の投与管理、治療中および治療後の経過のなかで行われる身体的・心理社会的側面からの看護を主体としています。
以下に、がん化学療法認定看護師に求められる重要な5つの能力を紹介します。

◆がん化学療法薬の特性と管理の知識をもとに、薬物の投与、管理、副作用対策を、安全かつ適正に責任をもって行うことができる
がん化学療法薬の種類は多岐にわたり、多剤併用療法として使用されることが多いため、薬物や治療方法の特性を十分に理解して看護する必要があります。
特に薬剤投与に関連した医療ミスを防ぐためにも、根拠のある専門的な知識のもと投与管理を行うことが求められます。
また、副作用のリスクを予測したうえで適切なモニタリングを行い、症状に合った対処を行います。

◆がん化学療法を受ける患者・家族が、セルフケア能力や化学療法中におこる問題へのマネジメント能力を高められるように、適切な看護援助を行うことができる
がん化学療法による治療中には、過敏症や血管外漏出などの即時性の副作用と、骨随抑制や脱毛などの遅発性の副作用が出現します。
これらの副作用症状についてのマネジメントにおいて、患者の症状体験や出現形態に基づいた症状のメカニズムを理解し、患者が効果的なセルフケアを行えるようにサポートします。

◆がん化学療法看護の実践を通して役割モデルを示し、看護スタッフに対して具体的な指導ができる
認定看護師自らが患者を受け持ち、がん化学療法薬の投与に関連した一連の看護を実践していく中で、がん化学療法看護として必要な患者アセスメントや投与管理を看護スタッフに分りやすく示します。
ただ役割モデルとなるだけではなく、実践の中でリソースとして看護スタッフへの学習会や啓蒙活動を行い、実際の看護ケアについての指導を行なっていきます。

◆がん化学療法に伴う看護ケアに対して、看護スタッフの具体的な相談にのることができる
がん化学療法看護について、看護スタッフからの疑問や悩みなどの相談にのり、看護スタッフ自身で患者ケアが実践できるように情報提供をし、さらに問題解決に向けた看護プランの立案ができるように援助を行います。

◆病院等の組織や医療サービスシステムを理解し、医師や薬剤師等の他職種と積極的に協働することによって、チーム医療としてのがん化学療法を推進する役割を果たすことができる
がん化学療法を受ける患者を支えるためには、医師、看護師をはじめ、薬剤師、栄養士、社会福祉士などの多職種が協働して、患者の不安を少なく、そして安全に治療が受けられるように援助することが重要です。
そこで、チーム医療としてお互いの役割を認識し、常に患者にとっての最善とは何かを考えていくために、認定看護師がチームの調整役となります。

がん化学療法看護認定看護師になるには

がん化学療法看護認定看護師の実務研修における看護実績と教育課程入学時の勤務条件は以下の通りです。

1 通算3年以上、がん化学療法を受けている患者の多い病棟、外来、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。
2 がん化学療法を受けている患者の看護(がん化学療法薬の投与管理の実績があることを必須とする)を、5例以上担当した実績を有すること。
3 現在、がん化学療法を受けている患者の多い病棟、外来、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

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外科系の病棟を有し、消化器系の手術数が多いかどうかを確認することがポイント。 また、その病院で外来部門の募集の有無の確認は必須。

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