緩和ケア認定看護師とは

緩和ケア

緩和ケア認定看護師とは、緩和ケアを受ける患者と家族の支援に関する最新の知識と技術をもち、水準の高い看護実践を行うことができる認定看護師です。 「緩和ケア」は「がん性疼痛看護」「がん化学療法看護」と同時期の1998年に認定看護師分野として特定され、現在では1000人以上の認定看護師が登録されています。 近年、がん診療連携拠点病院を中心に緩和ケアチームにおいて専門的な知識や技術をもつ専従看護師の配置を義務付ける政策も追い風となって、その活躍に期待が寄せられています。

緩和ケア認定看護師に求められる能力

緩和ケア認定看護師に求められる能力は以下のとおりです。

◆トータルペインに視点をおいたアセスメントとケア
緩和ケアの基本である対象者の全人的苦痛(トータルペイン)とそのQOLに焦点を当てたアセスメントを的確に行い、これに基づく個別性を重視した日常生活への支援をしてきます。

◆悲嘆の理解とグリーフケア
対象者は病気の進行とともに様々な喪失を経験し、悲嘆のプロセスを辿りますので、その過程に寄り添いながらスピリチュアルペインを受けとめる関わりを通して、グリーフケアなどの支援を行います。
また、ケアの対象を患者と家族で一単位と捉えたうえで、遺族への支援を含めた家族のケアも重点的に行うことが求められます。

◆苦痛緩和に対するケア
がんの進行に伴う痛みや呼吸困難、悪心・嘔吐、全身倦怠感などの苦痛症状に対して、根拠に基づいたアセスメントを踏まえたうえで、口腔ケア、リンパドレナージ、呼吸理学療法、エンジェルメイク等の専門技術を生かしたケアを提供でき、これらの実践を通して指導・相談を行います。

◆チーム医療の促進
緩和ケアチームに代表されるように、多くの場合チームの要として、チーム医療が効果的に促進できるように、多職種のメンバーや地域の医療福祉関係者との橋渡し的な役割を担います。
このような連携、調整を行なっていくために、良好なコミュニケーションを基盤としたスタッフのサポートやストレスマネジメントも求められます。

◆アドボカシー機能の発揮
緩和ケアの領域は、告知の問題、病気の進行にともなうギアチェンジ、治療の中止や最期の迎え方などの難しい倫理的問題に日常的に遭遇します。
実践現場においては高い倫理観をもち、相談ケースの中に倫理的問題が潜んでいないかを常に検証するなど、倫理的判断を体現できる役割モデルとなることが求められます。

緩和ケア認定看護師になるには

緩和ケア認定看護師の実務研修における看護実績と教育課程入学時の勤務条件は以下の通りです。

1 通算3年以上、緩和ケアを受ける患者の多い病棟、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。
2 積極的治療が行われてから死に至るまでを通して、緩和ケアを受ける患者を5例以上担当した実績を有すること。
3 現在、緩和ケアを受ける患者の多い病院、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

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